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脂肪組織から効率よくiPS細胞を樹立

“脂肪の幹細胞から効率よくiPS”と題して、研究成果が日本経済新聞夕刊に紹介されました。iPS細胞をどの体細胞から作成するかは、臨床応用のために必要な課題の一つです。我々のグループと米国ソーク研究所(Gene Expression Laboratory, Juan Carlos Izpisúa Belmonte教授およびRonald M Evans教授)のグループは、マウスおよびヒトの脂肪組織由来の幹細胞から効率にiPS細胞を誘導することに成功しました。さらに、脂肪組織由来幹細胞には、 iPS細胞の増殖と維持に必要な多くの因子を発現していることが判明しました。通常、iPS細胞の樹立にはフィーダー細胞と呼ばれる支持細胞との共培養を行いますが、脂肪組織由来幹細胞からiPS細胞を樹立する場合、これらの細胞を使用する必要がないことがわかりました。これは、患者由来でない細胞の混入を防いでiPS細胞を作成する方法の開発に繋がる成果であり、再生医療の実現化に貢献するものと考えられます。