学生のみなさんへ

(はじめに)
・実験、研究という言葉を耳にして、「難しそうだなあ」「よくわからない、、、」「大変そうだなあ」という印象を持っている人が多いかもしれません。それは誤解です。研究はみなさんが思っているよりずっと身近なものですし、やってみると楽しいものなのです。今日の実験では、高額な試薬や機器を用いることが多くなってきているので、これらを正しい知識で大切に使う必要はあります。しかし、決して一部の特別な人だけがするものではありません。不思議だなあ、本当のことが知りたい、世に存在していないものを開発したい、など知的好奇心を少しでも持てれば、そして、協調性と社会常識を持ち合わせていれば誰でも参加できます。繰り返しますが、実験や研究というのは、「楽しい」ものなのです。

・学部生のみなさんは、まだ、自分が本当に楽しいと思えることを見い出せていないかもしれません。興味や好奇心も漠然としたものでしょう。これまで、授業や実験実習などカリキュラムに沿った受け身の教育を受けてきているからかもしれません。卒業研究は、修士課程へ進学する人も企業など社会へ進出する人も、これから自分の道を見つけて歩んでいくための道しるべを見つけるよい機会になるでしょう。さらに、研究室における同期、先輩、後輩など、人と人とのつながりの大切さも学ぶことになると思います。

・本当の実験や研究をしたくてうずうずしている人から、まだ良くわからないけど研究の世界を覗いてみたい人まで歓迎します。ためらうことはありません。いつでも研究室まで見学に来てください。


(研究室の目標)
1.確かな技術と知識を習得することで、幹細胞・再生医学領域だけでなく生命科学全般に対して好奇心を持てるようになる。
2.実験を含めて基礎研究を楽しめるようになる。
3.学術論文を正しく抄読し、これまで解明されたことと今後の解明されるべき問題について考えられるようになる。
4.与えられた実験の結果の解釈、問題解決、今後の方針を自分で考えられるようになる。
5.自分のやりたいこと・知りたいことは何かを明確にし、どのような研究をすればよいか考えられるようになる。
6.新たな発見や創造に対して他者にわかりやすく発表できるようになる。修士課程進学者では、英語論文として投稿できるようになる。


(内部学生のみなさんへ)
・特別な準備はいりません。配属定員数の関係で、ある程度の成績を確保できる計画的な学習はお奨めします。
・生命現象に興味をもっていろいろ調べてみてください。面白い、不思議だなあ、もっと知りたい!といったものがあれば、それを大事にしてください。
・卒研で実験を始めてから、見えてくることのほうがたくさんあります。低回生実習科目で実験にあまりよいイメージを持たなかった人も、卒研では楽しいと感じられることが多々あると思います。
・興味や進路はそのときどきで変わっていくものです。そのきっかけを、我々と一緒に掴んでくれたら嬉しいです。好奇心や興味を大切にしてください。

(他学科・他学部のみなさんへ)
・興味ある方は、学科・学部を問いません。気軽に研究室見学にきてください。
・生命情報学科から卒研配属される方や、応用化学科で卒業して修士課程から配属になった方がいますが、何ら問題なく研究をしています。
・学生同士が協力し合って、楽しみながら勢力的に研究活動をしているので、興味とやる気さえあれば、自然に研究できるようになります。

(学外のみなさんへ)
幹細胞生物学、再生医学に興味を持っている方なら誰でも歓迎いたします。博士課程入学希望の方、研究員や実験補助員として私たちと一緒に研究したい方は、いつでも連絡をお待ちしております。


(習得できる実験系)
1)  iPS細胞・ES細胞の樹立と培養
2)  マウス初期胚の操作技術と遺伝子改変マウスの作製
3)  遺伝子強制発現や遺伝子破壊実験
4)  QPCR, Western blot, 免疫染色など遺伝子発現解析
5)  心筋梗塞などのマウス病態モデルの作製と細胞移植
6)  テラトーマ(奇形腫)などの腫瘍モデルの作製
7)  FACSによる表面マーカー解析と細胞選別
8)  FRETによる生細胞を用いた蛍光イメージング
など。


(最後に)
人は誰でも知を欲する心を持っています。その心の扉が開かれたとき本当の意味で面白い!と思えるのです。今の時代は選択肢が多すぎて、何をすればいいか迷ってしまいます。しかし自分の好きなことは必ずあるはずです。目先のことにとらわれず、自分の中に眠っている能力に気づき、自分を信じてください。若い人のエネルギーには可能性がたくさんあります。その芽を自分で摘まないで、自分を信じ突き進んでください!「道を見つけ、道を歩み、道を造る」川村研究室のモットーです。


(担当授業)
1年生後期
・分析化学実験1
2年生前期
・生化学実験
・組織学実験
2年生後期
・発生・ゲノム医科学
・分子生物学実験
3年生前期
・人体の機能と病態1


(最近の対談、図書館へ行こう)

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/lib/2009lshp/interview_bn/1406/interview.html